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京都を舞台に繰り広げられる時間差ラブストーリー『1秒先の彼』

台湾映画『1秒先の彼女』を、舞台を京都に移してリメイク。なんでも1秒早い残念なイケメンと、なんでも1秒遅い大学7回生、タイミングが合わないふたりの「消えた1日」をめぐる時間差ラブストーリー。

映画『1秒先の彼』

原作となった映画『1秒先の彼女』は、2020年公開の台湾映画。
人よりワンテンポ早い主人公(リー・ペイユー)とワンテンポ遅い彼(リウ・グァンティン)による、ちょっとの時差から生まれるラブストーリーです。
中華圏を代表する映画賞「金馬奨」で作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞を受賞しました。

今回の映画『1秒先の彼』では舞台を京都に移し、男女の設定を逆にしてリメイクされました。

郵便局の窓口で働くハジメ(岡田将生)はなにをするにも人より1秒早い。
イケメンですが口が悪く、周囲から「残念なイケメン」とされています。

「京都は洛中だけ」と言い、自分を振った同僚の新しい彼氏が亀岡出身であることを馬鹿にしますが、自身は宇治出身だったりする。

ある日、ハジメは鴨川で路上ライブをしていたミュージシャンの桜子(福室莉音)と出会い、一目惚れします。

桜子が路上で歌っているのはデューク・エイセスが1965年にリリースしてヒットした『女ひとり』(永六輔作詞、いずみたく作曲)。京都のご当地ソングとして有名です。

その他、劇中ではチェリッシュのデビュー曲『なのにあなたは京都へゆくの』が効果的に使用されています。

ハジメは桜子と宇治の花火大会に行く約束をしますが、目覚めるとなぜか翌日。
確かに当日出かけたはずなのに、花火大会デートが消えてしまった…?

ちなみにここでいう「キング・クリムゾン」とは、イギリスのプログレ・ロックバンドのことではなく、相手の時間を飛ばしてしまう恐ろしいスタンド能力です。
意味がまったくわからない人は『ジョジョの奇妙な冒険』第5部を読んでみよう。

消えてしまった1日の秘密を握るのは、毎日郵便局にやってくるレイカ(清原果耶)。

そしてハジメが高校生の頃に行方不明になった父の皇(旧姓・勘解由小路)平兵衛(加藤雅也)と、謎のバス運転手・釈迦牟尼仏 憲(荒川良々)。この2人がいい味出してます。

ハジメいつも聞いているラジオのDJ役とレイカのアルバイト先である写真やの店主役の2役で、2023年2月に亡くなった笑福亭笑瓶が出演。
今作が遺作となりました。

映画の舞台が京都ということで、天橋立、京都府立植物園、平安神宮、岡崎公園、古川町商店街、鴨川、二条大橋、京町家など、京都のスポットが数多く登場します。

©2023『1秒先の彼』製作委員会

映画『1秒先の彼』
https://bitters.co.jp/ichi-kare/